ピッキングスタイルは人それぞれだが、
ヴィニームーアやJAZZギタリストのように、
上下フラットなアタックを行うギタリストはロック系に多くはないだろう。
ジョージ・リンチほどでなくとも角度の付いたアタックで、
弦に対して斜めに突入するスタイルが多いと思う。
このときダウンピッキングは鋭いアタック音を出せるが、
アップピッキングの際に、それほどいい音を意識したことはあるだろうか。
理由はともあれアップピッキングのみ使った練習方法を記載する。
この練習はアップピッキングだけをターゲットにした弱点克服ではなく、
全体の底上げが目標になる。
試験的にソロの一部分だけでもいい。
アップだけで演奏した場合、ダウンで鋭角に切り込んだような
かっこいい音はでるだろうか?出ないだけならいいが、リズムはどうだろうか?
ダウンだけで弾いたときと同じぐらいリズムは正確だろうか?
アップッキングはダウンピッキングと同じ頻度で使用されることがなく、
軽視されがちだ。
もちろんコントラストがつく良さからダウンと全く同じ音が出るのは好ましくないだろう。
だがクオリティはダウンと同等が好ましい。
これをアップだけで練習してみよう。
このスケール練習時にエコノミーフィンガーと合わせて練習をすると、
ギターの練習というよりは苦行に近いだろう。
(参考程度に一度やってみることをお勧めする。
ギターの練習にもなるが集中力のトレーニングにもなる。
手癖で満足していた人も、これをやることで、
ギターを始めた頃の懐かしい感覚がよみがえるかもしれない。)
さて、ここで強く意識したいことが一つある。
それはダウン時の空ピッキングを正確に行う
ことだ。
アップピッキングがリズムどおりに正確にHITし始めたら、
ダウンの空ピッキング(完全に空振り)とアップピッキングを振り子状態にして、
リズムのノリをよくしていく。
スタッカート気味に押弦をすぐに解除すると、雰囲気がでるだろう。
次に、これができるようになったら、ダウン時の空ピッキングを”あてて”
いく。
ダウン時はカッティングのときと同じようにミュート状態に当ててアクセントにし、
アップ時に押弦して音を出す。
ダウンピッキングでミスピッキングする人は少ない。
したとしても、その直前のアップピッキングの失敗が引き金ということがほとんどだろう。
また、アップピッキングのミスには2つの原因が考えられる。
・ アップピッキングそのものに不慣れが原因であること
・ ダウンピッキングの空振りに失敗していること
ダウンピッキングの空振りとアップピッキングは、
セットで考えて練習するとピッキング全体の改善が期待できる。