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フィンガリングエクササイズ

● エコノミーフィンガー

慣れないうちはイライラするが必ず早い段階で効果が出る方法がある。
それは一度押弦した指は次の出番が来るまで絶対に離さないようにする練習だ。
例えば、
-----------------------------------------1-2-3-4--
---------------------------------1-2-3-4----------
-------------------------1-2-3-4------------------
-----------------1-2-3-4--------------------------
---------1-2-3-4----------------------------------
-1-2-3-4------------------------------------------
と、初歩的な運指でも6弦の4フレットを小指で押さえたときには、
人差し指から薬指までフレットを押さえていなければならない。
指を浮かすのは絶対にNGだ。
しかも現移動する際もこのルールは絶対だ。
5間の1フレットを抑える際に他の指は、
6弦の2〜4フレットを必ず押さえたままでなければいけない。
こうして、これを6→1弦、1→6弦まで繰り返し、フレットを移動させていく。

こうすれば単純で簡単だった運指もいきなりイライラするものに変わる。
このイライラが取れるころエコノミーフィンガーの基礎が身に付くだろう。
クラプトンのスローハンドも、このエコノミーな動きだ。
指を必要最低限のモーションで次のポジションへ移動できれば、
”速く”動かすエネルギーは僅かで済むわけだ。
慣れてきたらスケール練習に取り込むと更に効果的だ。
実際は音を伸ばしたりスタッカート気味に切ったりする関係上、
この運指で演奏することはまずないが、
実際の演奏時に余計な動きが減ってストレスなく、
気持ちよく指が動くようになったことを体感できるはずだ。
【注意】
ここから先の運指はスキッピングを伴うため、
慣れないうちは強い力が入って手首に負担がかかる可能性がある。
普段以上の力を入れなければ指が動いていかないようであれば、
極端に遅いスピードにしてもいいので決して力まないで練習すること。


●エコノミーフィンガー2

1234と順番に動かした指を
---------------------2-4-1-3----------------------
-----------------1-3---------2-4------------------
-------------2-4-----------------1-3--------------
---------1-3-------------------------2-4----------
-----2-4---------------------------------1-3------
-1-3-----------------------------------------2-4--
と動かしていく練習方法だ。
このとき、やはり次の出番が来るまで指を浮かせたり動かしてはならない。
1弦まで移動したら同じルールで6弦まで戻ってこよう。
指が隣り合ってないことで難しくなってはいるが、
次に紹介するトレーニングに比べるとイライラ度はまだまだ低い。

●隣り合った指の神経を独立させるトレーニング

この運指はエコノミーフィンガー2に、
ストレスを感じないレベルになってから行ったほうがいい。
イライラ度は前述したエコノミーフィンガーの3倍ぐらいだ。
このエクササイズはピッキングはしない。
最初はしっかり抑えなくてもいいから狙ったポジションへ2本の指が同時に動き、
そのとき、他の2本は決して動かさないことがポイントだ。
人によっては発狂寸前となりギターが嫌いになるかもしれない。
まず一度押弦した指は次の出番が来るまで、
絶対に動かしてはならないところは同じだ。

難しいのは人差し指と薬指のペア、中指と小指のペアで動かすことだ。
------------------------------------[6-8][5-7]-
----------------------------[6-8][5-7]---------
--------------------[6-8][5-7]-----------------
------------[6-8][5-7]-------------------------
----[6-8][5-7]---------------------------------
[5-7]------------------------------------------
このように一度の動きで人差し指と薬指を同時に動かす。
一本ずつ動かすのは意味がない。絶対NGだ。
そして下の弦の6.8フレットを中指と小指で同時に押さえるときに、
6弦の5フレットと7フレットを押さえている人差し指と薬指は、
絶対に離してはならない。

1弦まで移動したら同じルールで6弦まで戻ってこよう。
どうだろう、この最初の1フレーズだけで、
イライラが最高潮に達することもあるんじゃないだろうか。
こうやって、次のモーションまで離れている2本の指が、
同じ動きを強いられることで、隣り合った指同士が、
お互いを引っ張って邪魔をしなくなるように鍛えられる。
前述のエコノミーフィンガー2よりも神経を離す効果が高い練習法だ。
実はこれは学生時代にスパニッシュギターのプロ(ブラジル人)に教わった方法。
どこでも出来る練習法で、ギターを弾くよりも練習になると教えてくれた。
最初は、でたらめな日本語だと冗談半分で聞いていたが、
やってみると自分の指がどれだけ隣の指と神経が分離していないのか思い知った。
これは自分の腕や壁、柱を使って、どこでも出来るトレーニングなので、
練習時間の取れないサラリーマンに最適だと思う。