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代理コード、アボイドノート、テンションについて

以下、全ての解説は、Key=Cとして記載する。
数学的に記載していますが、いまどきのパズルやなぞなぞよりも簡単です。

目次:

  1. 代理コード
  2. 代理コードへの変換
  3. アボイドノート
  4. テンション

代理コード

1.トニックの代理
CMajの構成音:C・E・G
Em(Vm)の構成音:E・G ・B
構成音のうち、2つを共にしているため、
Vmのコードは トニックとしての性質を持つ。
TMajの代理 に使える。

CMajの構成音:C・E ・G
Am(Ym)の構成音:A・C・E
構成音のうち、2つを共にし、
且つRoot(ここではC)をその構成音に含んでいるため、
Ymは トニックとしての性質を強く持つ。
TMajの代理 に使える。

2.サブドミナントの代理
FMajの構成音:F・A ・C
Dm(Um)の構成音:D・F・A
構成音のうち、2つを共にし、
且つSDのトップノートを構成音に含んでいるため、
Umは サブドミナントとしての性質を強く持つ。
WMajの代理 に使える。

3.ドミナントの代理
G7の構成音:G・B・D
Bm(♭5)の構成音:B・D ・F
構成音のうち、2つを共にしているため、
Zm(♭5) のコードはドミナントとしての性質を持つ。
⇒が、そのままX7の代理 に使われることは、まずない。

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代理コードへの変換

下記の7thを含めた3コードの進行を代理コードに変換してみよう。


1.2小節目のトニックTMaj7⇒Ym7へ
2.3小節目のサブドミナントWMaj7⇒Um7へ

すると...


一般的にT-Y-U-Xと呼ばれるコード進行になった。
Jazzでよく見られるというか、コード進行の基本形だ。

このように見て見ると、1625とは 、なんのことはない、
3コードを代理コードでアレンジ しただけのものだ。

※演奏時のポイント
雰囲気を出すなら、ハネ気味でリズムを取って弾いて見よう。
ソロの練習をするなら、コードトーンで構成しよう。
後述するメジャーペンタトニック以外のスケールで、
ソロを構成するには最低でも
”アボイドノート”に関して学習するか、人並み外れたセンスが必要
だ。
コードトーンを追っかけている以上は、
ダッサく”アボイドノート”を伸ばしたり強調したりということは発生しない。
小さくまとまりそうだし、潔くないかもしれないが、
変な手癖や感性が身に付くよりは、まだましと考えよう。
慣れてきたら、コードトーンの間に経過音としてスケールの音を混ぜていく。
こうやって、”伸ばすと良くない音”に関して感度を上げていくのだ。
その一方で経過音にスケール以外の音を入れる楽しさ もある。
コードトーンの間をクロマチックに経過 しても雰囲気は出る。
このコード進行ならリズムはJAZZに限らず、
HR調にしてコードトーンをベースにタッピングやチョーキングでキメてもいい練習になる。

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アボイドノート

コードに含まれず、コード感を感じにくい音のこと。
ここでは長調(メジャーキー)をサンプルに解説する。
※マイナーキーは対応表のみ記載(作成中)

メジャーキーのコードに対するスケールとアボイドノート
コード スケール アボイドノート
TM7 アイオニアンスケール 完全4度(CアイオニアンならF)
Um7 ドリアンスケール 長6度(DドリアンならB)
Vm7  フリジアンスケール 短2度、短6度(EフリジアンならF、C)
WM7  リディアンスケール なし
X 7  ミクソリディアンスケール 完全4度(GミクソリディアンならC)
Ym7 エオリアンスケール 短6度(AエオリアンならF)
Zm7(♭5)  ロクリアンスケール 短2度(BロクリアンならC)

何でアボイドノートの強調(目立たせる)は、何故NGかっていうと、
コードトーンのすぐ隣の音は和音にならないことや、
それが入るとその他の構成音と混ざって、
違うキーの別のコード感を生み出してしまう
ことが理由になる。
伸ばして使うことや、リズムのアクセントに毎回使うなどの
”分かりやすい”使用をしなければ利用は可能
だし、
前述した効果音としての利用価値 はある。

ここで注目したいのが基本3コードのアボイドノートだ。
C・F・GのアボイドをまとめるとFとCだ。
だが、Cはドミナントでのみアボイドとなるので、とりあえず置いておこう。
そこでFを代理のDmにしてみると、Bもアボイドとなる。
同様にCの代理AmのアボイドはFとなる。

Key=Cにおける基本3コード及び、T-Y-U-Xのアボイドは、F,B となる。

ここでペンタトニックを思い出してみよう。
ペンタトニックスケールは、

メジャースケールから4度と7度を抜いたスケール だ...ん?Key=CならFとB だ!

ペンタトニックスケールがアドリブで多用される理由は、
響きがシンプルで雰囲気を持っていることはもちろん、
基本3コードのコード進行においてアボイドで下手を打ちにくいということもある。

更にBluesのフレーズが応用できるとなれば使わない手はない。
先ほどのT-Y-U-Xで、Cメジャーペンタトニックでソロを弾いてみよう。
クロマチックで経過音を付けたりするのはコードトーンアプローチと同様だ。


この練習の成果として、
・コードトーン
・ペンタトニック
・コードトーン+経過音
・ペンタトニック+経過音

の4つの異なるアプローチが身に付くだろう。

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テンション

アボイドノートを避けることが自由にできるようになったら、
各コードのテンションを覚えて、スケールアプローチを楽しもう。
少々乱暴だがここでの7thは基本コードの一部として認識し、
9th以降をテンションとして記載する。

メジャーキーにおける各コードのテンション
コード テンション
TM7 M2=9th
Um7 M2=9th、P4=11th、(M6=13th)
Vm7  P4=11th ※9thはNG
WM7  M2=9th、aug4=#11th
X 7  M2=9th、M6=13th
Ym7 M2=9th、P4=11th
Zm7(♭5)  P4=11th、m6=♭13th

例えば、作曲していて、テンションを付けたいとき、
そのコードが何番目のメジャー、マイナーなのかが分かれば、
使えるテンションは上記に従えばいい


Key=Cでサブドミナントの代理Dm7にテンションを付けるなら、
Um7だからDm9やDm11コードにできる。

さて、この法則に従って、先ほどのT-Y-U-Xにテンションを付けよう。

※一般的な例として9thでテンションをつけてみた。

Eの音は、
・ Um7の9thテンション
・ Ym7のコードトーン、
・ TM7のコードトーン(テンション)
・ X7の13thテンション
となる。
すなわち、
Key=CでありながらEで始まり、Eで強調し、Eで解決する
なんて遊びもできる楽しいコード進行だ。

このようにアボイドとテンションが把握できたら、
スケールアプローチも楽しむ事が出来るだろう。
あとはテンションを変えたり、別のコード進行を使ったりして日々楽しむ事をお薦めする。

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